5年の付き合いになる事務所のスタッフが辞めることになった。彼も僕も酒が飲めるのだが、実に5年間で一度たりとも二人きりで酒を酌み交わしたことがなかった。何かのついでに二人になって、その時に酒を飲んだことはあったが、昨夜のように、わざわざお店に出向いて酒を飲んだのは初めて。
その背景には、彼がとても家庭を大切にする男で、仕事が多忙な中お酒を飲むという理由で家に帰れないことを避けたためだ。その分、仕事上での会話は濃密なものがあり、これまでの自分の経験上、もっとも仕事について語った相手でもあった。彼は無口なゆえに、僕の話を一方的に聞く側にまわることが多かったのだと思うが。
昨夜は数時間におよび、彼の話を聞く役になれた。二人とも相当量の酒を飲んだはずだが、僕は最後までつぶれることはなかったし、彼は今まであまり見せたことの無い強い口調と表情で、5年間のいろいろを語った。
「まあいいじゃないか、今夜はつき合えよ」「はい」
毎日のように家の中、外で酒を飲んでいる自分だが、昨夜の酒は最高に美味しかったと死ぬまで記憶に残ると思う。
2007年12月22日
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